2014年02月02日

落語入門23〜猫の災難〜

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ラムちゃん♪の可愛い顔を見ながら、猫にまつわる噺でも。

文無しの熊五郎。朝湯から帰って一杯やりたいが、先立つものがない。
呑みてえ、呑みてえとうなっていると、隣のかみさんが声をかけてきた。
見ると、大きな鯛の頭と尻尾を抱えている。
猫の病気見舞いにもらって、身を食べさせた残りだという。
捨てると言うので、頭は眼肉がうまいんだから、ともらい受ける。

これで肴はできたが、肝心なのは酒。
猫が見舞いに酒をもらってくれねえかとぼやいている。
そこへ、兄貴分がおめえと一杯やりたいと、やって来た。
何か肴が…と見回し、鯛の頭を発見した兄貴分。
台所のすり鉢をかぶせてあるので、真ん中があると勘違い。

こんないいのがあるのなら、おれが酒を買ってくるからと大喜び。
近くの酒屋は借りがあるので、二丁先まで、五合買いに出てしまった。

さて、困ったのは熊。今さら猫のお余りとは言いにくい。
兄貴分が帰ると、おろした身を隣の猫がくわえていったとごまかす。

「それにしても、まだ片身残ってんだろ」
「図々しいもんで、もう片身は爪で引っかけると小脇に抱えて」
「何?」
「いや、肩へひょいと…」

日ごろ隣には世話になってるんで、我慢してくれと頼み込む。
兄貴分、不承不承代わりの鯛を探しに行った。

熊、ほっと安心するが、酒を見るともうたまらない。
冷のまま湯飲み茶碗でさっそく一杯。
どうせあいつは一合上戸で、たいして呑まないから。
いい酒だ、うめえうめえと一杯また一杯。

これは野郎に取っといてやるか。
徳利に移そうとした途端にこぼしてしまう。
もったいないと畳をチュウチュウ。
気がつくと、もう徳利一本分しか残っていない。

やっぱり隣の猫にかぶせるしかないと
「猫がまた来たから、追いかけたら座敷の中を逃げ回った。
逃げるときに一升瓶を引っかけて、全部こぼしちまった」
と言いわけすることに決めた。

そう決まれば、もう残しとくことはねえ。
ひどいもので残りの一合もグイーッ。
とうとう残らず呑みやがった。

いい心持で小唄をうなっているうち、
「こりゃいけねえ。猫を追っかけてる格好をしなきゃ」
と、向こう鉢巻に出刃包丁。
「あの猫の野郎、とっつかめえてたたっ殺して」
と一人でうなってると、待ちくたびれてそのままウトウト…。

一方、鯛をようやく見つけて帰った兄弟分。
酒が一滴もないのを知ってビックリ。
猫のしわざだと言っても今度はダメ。

「この野郎、酔っぱらってやがんな。
てめえが吞んじゃったんだろ」
「こぼれたのを吸っただけだよ」
「よーし、おれが隣ィどなり込んやる。
猫に食うもの食わせねえからこうなるんだ!」

そこへ隣のかみさんが
「ちょいと熊さん、いい加減にしとくれ。
さっきから聞いてりゃ、隣の猫、隣の猫って。
うちの猫は病気なんだよ。
お見舞いの残りを、おまえさんにやったんじゃないか」

「この野郎、どうもようすがおかしいと思った。
やい、おれを隣に行かせて、どうしようってえんだ」
「だから…猫によくお詫びをしてくんねえか」m(__)m
posted by 葵家 金太郎 at 10:45| 東京 ☀| Comment(0) | 落語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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